銀河鉄道の旅🚃🌌

銀河級の教師を目指す3年目小学校教師のブログです。お気軽にお読みください😊

漢字指導法のゲーミフィケーションから考える計算指導法

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前回のTQJのミーティングの中で、興味深いグループワークがあった。

 

「子どもが楽しく計算ドリルに取り組めるようにするには?」

ということを考えるワークだ。

 

私はこの課題を提示された時、すぐに土居先生の『漢字指導法』が頭に思い浮かんだ。

 

 

 土居先生の『漢字指導法』が画期的な理由の一つに、

漢字スキルとノートだけしか使わないでクラス全体を熱中させるということがある。

 

同じように計算ドリルでクラス全体を熱中できないかなと考えた。

 

グループワークの際は中々話を深めることができなかったので、

ここで個人的にまとめてみる。

 

 

最近、『授業や学級づくりを「ゲーム化」して子どもを上手に乗せてしまう方法』という本を読んだ。

 

 

その本でも引用されていた岸本先生のゲーミフィケーションの6つの要素には、

 

①能動的参加

②即時フィードバック

③称賛演出

④自己表現

⑤達成可能な目標設定

⑥成長の可視化

 

がある。

 

これと関連させ、

土居先生は、正に漢字指導をゲーミフィケーションしたという見方ができると思った。

 

一見したら、単純作業になりがちな漢字指導。

これをゲーム化して、外発的動機づけから内発的動機づけに変えていく。

 

①能動的参加→自由進度

②即時フィードバック→1ページ毎のチェック

③称賛演出→「漢字を知っているってカッコいい」という文化

④自己表現→漢字活用練習のまとめ方

⑤達成可能な目標設定→自由進度、熟語1個で+1点

⑥成長の可視化→漢字音読のタイム、点数の向上

 

まだ他にもあると思うが、このような感じだろうか。

 

 

このゲーミフィケーションの6つの要素を

計算スキルに当てはめて考えてみる。 

 

①能動的参加→自由進度

②即時フィードバック→1ページ毎のチェック

③称賛演出→「算数ができるってカッコいい」という文化

④自己表現→算数活用練習のまとめ方

⑤達成可能な目標設定→自由進度

⑥成長の可視化→百マス計算のタイム、点数の向上

 

 

漢字指導と合わせて表にまとめると、このようになった。

 

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計算指導のところを詳しく書いていく。

 

①能動的参加→自由進度

 

漢字指導同様、子どもたちが自由に進めていいようにする。

なので答えは事前に配っておく。

 

※答えを配っては子どもたちが答えを見てしまうのではないか、ということについては次で述べる。

  

 

②即時フィードバック→1ページ毎のチェック

 

1ページ丸つけまで終わったら、教師の元に持ってきて、教師が出す問題に答える。

合格したら次へ。間違えてしまった場合、復習して再度挑戦。

 

このシステムがあるので、答えを丸写ししても次に進めず、自分の力でやろうと思うのではないだろうか。

 

とはいえ、そうは言っても、すぐに答えを見ようとしてしまう子が出てきてしまうではないかという意見もあると思う。

 

しかしながら、ゆくゆくは自分で答えを持ち進めていくのが当たり前になるわけで、

わからない問題を自分で答えを見て理解し、進めることも大切であると考える。

 

もちろん、それが伝わらない子もいると思うので、粘り強く考えることの重要性は繰り返し伝えていきたい。

 

 

③称賛演出→「算数ができるってカッコいい」という文化

 

④自己表現→算数活用練習のまとめ方

 

漢字活用練習は、熟語を調べ、例文を書くというものだった。

算数活用練習では、ミニレッスンを通して、特殊化

(例)数値を変える、条件を変える、形を変える、図や表を使う、名前をつける、物を使う

について学んだ上で、

ドリルの空いているところやノートに、数や文章を変えた問題を作って解いたり、生活や学習に活用できたことを書いたりする。

(答え合わせは、子どもたち同士でできるものは自分たちで、できないものは教師が行う。)

 

算数の極端に苦手な子へは、

例えば、「10問のうち3問でいいよ」という風に、自分で解く問題を選んでもらう

といった対応をとり、自分のペースを大切に進めてもらう。

 

 

⑤達成可能な目標設定→自由進度

 

⑥成長の可視化→百マス計算のタイム、点数の向上

 

突然だが、土居先生は、漢字習得のステップとして

 

1見慣れる

2読める

3大体の形が分かり、書ける

4とめ・はね・はらいなど正確な形が分かり、書ける

5様々な使い方が分かる

6自分が作文を書くときなどに自在に使いこなせる。

 

の6ステップがあると著書で述べている。

 

 

何の根拠もなく恐縮だが、

計算習得のステップで言ったら、

 

1見慣れる

2公式が分かる

3計算ができる

4公式の正確な意味がわかる

5様々な使い方が分かる

6自分が生活の中で自在に使いこなせる

 

 となるのかなと考えた。

 

計算習得の土台となる「3計算ができる」ためには、

計算演習が不可欠であろう。

 

百マス計算を継続し、タイムが日に日に向上することで、

計算力の向上だけでなく、自己効力感の向上をねらいたい。

 

 

 

 まとめ

 

漢字スキルと計算スキルでは、

前者は、新しく漢字を習得する、

後者は、習ったことを活用する

というところでスタートから大きな違いはあるが、

学習者が能動的に参加できる環境をつくる、などゲーミフィケーションの考え方を使うことで、主体性を生み出すことができると思った。

 

『遊びが学びに欠かせないわけ』では、

遊び心が、「新しいスキルを練習し、それらを想像的に使う動機づけになっている」

と書かれてある。

 

スキルを練習する際は、このような遊び心を大切にしていきたいと思った。